全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『ナイト・フライヤー』文庫表紙

『ナイト・フライヤー』文庫表紙

この次会ったら

Next Time You'll Know Me,1988

作:ラムジー・キャンベル(白石朗訳)

Written by Ramsey Campbell

短編19ページ/『ナイト・フライヤー』所収/新潮文庫

Prime Evil,1988

ぼくのアイデアを盗んでいるのは君かい?
妄執に憑かれた男の独白でつづるサイコホラー

 聡明な母親とぼくは二人でつつましく暮らしている。母の忠告はためになる。「いつも他の人より一歩先をいきなさい」。ぼくは肝に銘じている。
 ぼくが創作した物語を語り聞かせると、母はすごく喜んでくれる。「あんたは作家だよ、オスカー。活字にして発表すべきだよ」。
 学校を卒業すると地元の小さな印刷会社に勤めたが、誰もぼくの才能をわかってくれない。地元の素人作家クラブも酷評するばかり。だれもかれもがぼくの邪魔をし、足を引っ張ろうとしている。
 ある日のこと。家に帰ると母に思わぬことをいわれる。ぼくに失望したというのだ。ぼくが語り聞かせてきた物語は、すべて下階に住むミセス・マンダーが持ってきてくれた本に載っていたという。
 とんでもない誤解だ。アイデアを盗んだのはあいつらなのに…。
 その週末、ぼくは列車に乗った。盗作した作家の1人を訪ねてみるつもりだ。

 英国を代表するホラー作家のひとり、ラムジー・キャンベル。ホラー界では著名な作家なのに日本では長編2冊ぽっちしか翻訳されていない(『母親を喰った人形』と『無名恐怖』)。対する短編はさまざまな作品が翻訳されており、読む機会も多くなる。2対多では公平な評価はできないのを棚に上げ、この人は短編のほうが切れ味のあるホラーを書くと思う。
 狂気をにじませる独白体で語られる本作は、薄気味の悪く、異常な心の暗さをよく描いている。不気味な余韻を残すラストも素晴らしい。
「自分がまちがっているとでも祈るんだね」(p472)。

【サイト登録日】2008年4月6日 【ジャンル】妄執・サイコ

▽メモ1ヒース(p462)

イギリスの荒野に自生する灌木、または野草のこと。植物を指すこともあれば、荒野自体を指すときにも使われる。

ラムゼイ