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暗黒を前にして
By Reason of Darkness,1988
作:ジャック・ケイディ(黒丸尚訳)
Written by Jack Cady
中編104ページ/『ナイト・フライヤー』所収/新潮文庫
Prime Evil,1988
狂気と一体になった者だけが生き残れる戦場
再会した3人の戦友は再び狂気に堕ちていく
悲惨な戦場をともに生き抜いた戦友のノースから連絡を受けた私。
「審判を招集しなくちゃならん」という言葉に不安を覚えるが、彼には命を救ってもらった恩もある。あまり気が進まぬが、私は車で出かけることにする。
心の準備をするための2日間のドライブ。狂気を追体験する私。
駆逐艦のミサイル管制官をしていた私は、ミサイルの補給を怠ったという上官の叱責を受け、上陸したまま連絡の途絶えた2人水兵、ノースとブラックバードを連れ戻す任務を与えられる。ジャングルに入った私は、狂気そのものになった2人を発見。それからの2か月間で私自身も狂気と同化していった。
ブラックバードと合流した私は、酒におぼれ、死人のようなノースと対面する。
亡霊がささやきかけてくる。オレたちは話をつけにいかないといけない、と話すノース。われわれ3人は、森の奥に向かって進み始める。
ノースのたくらみが、私の内に潜んでいた狂気を激しく揺り動かす。
収載13作品でもっとも長く、本サイトでは中編と分類した。
戦場で狂気に染まった3人の男たち。市井の暮らしでも、ふとしたきっかけがあれば狂気は発露する、という感じ。どの戦争か明かされないけど、東洋人やらジャングルとあるからベトナム戦争か、朝鮮戦争なのだろう。
死者の無念の魂に楽しい記憶をかじり取られながら死に至る。心と肉体の死が逆順になっているさまが興味深い。こういう死に方は辛いと思う。
原文が日本語になじみにくい類なのかもしれないけど、必要以上にくだくだしい描写が気になる。
【サイト登録日】2008年4月10日 【ジャンル】幻想・悪夢・戦争
▽メモ1作者は講師(p491)
本作執筆当時、ワシントン州タコマのパシフィック・ルーセラン大学で創作講座を教えていた。
▽メモ2アジア人に関する記述(p526)
中国、日本、台湾などのアジア人は奴隷として連れてこられた、と書いている。







