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『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

ミッドナイト・ミートトレイン

The Midnight Meat Train,1984

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編49ページ/『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』所収/集英社文庫

Books of Blood No.1,1984

ニューヨークの地下鉄で起こる連続猟奇殺人
殺害現場に居合わせた男が体験する戦慄の一夜

 夢を抱いてニューヨークにきたカウフマンは落胆していた。悲惨な事件が多く、ふしだらな女のような街。それでも愛さずにはいられない街…。
 もっかのところニューヨークを騒がせている地下鉄内連続惨殺事件。ニューヨークタイムズ紙によれば、被害者は逆さづりにされ、全身の体毛が剃られるととともに血を抜かれていたという。手並みのよい職人による、家畜の解体現場を思わせる惨状とも記されていた。
 そんな世間の騒ぎをほくそ笑みながら眺める殺人鬼マホガニー。人間よりも、アメリカよりも古い父祖たちのため、今宵も聖なる勤めを果たすのだ。体力の衰えは隠せないが、襲撃や解体に要する秘技まで失ったわけではないのだから。
 帰宅途中の地下鉄で居眠りをしたカウフマンは、隣の車両の物音で目覚める。ドアの隙間から覗くと、血まみれの死体が3つ、吊革にぶらさがっていたのだ。
 殺人鬼と対峙したカウフマンは、決死の覚悟で挑みかかるのだが…。

 良くも悪くもバーカーを一躍有名にしたスプラッター短編。
 従来のホラー小説と決定的に違うのは、想像力へのアプローチ。雰囲気や思わせぶりな行間から恐怖を惹起させるホラー小説と真逆の手法。残虐や嫌悪をあからさまに描き、ホラー映画の1シーンを喚起させる。その意味では、読み手の自由な想像力が不要な小説となっている。イギリスホラーってこの手のナスティホラー作家は多い。彼らの後継者となりうるバーカーの才能は、読者ばかりか、出版社も喜んだに違いない。売れてナンボが出版業界だからね。
 クトゥルー神話の一篇として読めなくもない。ちょっとこじつけかな。

【サイト登録日】2008年4月14日 【ジャンル】殺人鬼・地下・怪物・スプラッター

▽メモ1殺人鬼マホガニー(p41)

禿げかけて腹のせり出した50代とおぼしき中年男。物憂げな表情、落ちくぼんだ目、小さくで繊細な女のような口。

▽メモ2殺人鬼マホガニーの道具

鎖かたびらのエプロン、肉斬り包丁。血を受ける黒いポリ袋のバケツ。

▽メモ3ニューヨークの小父祖(p48)

骨と皮だけの痩せた老人のような容姿。毛は1本もなく腐臭を放つ。全裸もいれば、人間の皮をまとっている者もいる。

▽メモ4ニューヨークの大父祖(p53)

魚が群れをなしているような巨大な体躯で、玉虫色や見たこともない色で発光する。全身に数百の口がうごめいている。

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー