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『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

豚の血のブルース

Pig Blood Blues,1984

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編60ページ/『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』所収/集英社文庫

Books of Blood No.1,1984

矯正施設を支配する狂気の影
永遠の命を宿す魔性の正体とは?

 24年間勤めた警察を辞め、テザータウン少年補導センターの雇用面接を受けるレッドマン。センターとは名ばかりの監獄であり、手に負えない不良少年たちを収監、厳罰主義による矯正をうながす施設だった。
 日々暴力にさらされている貧弱な少年レイシーは、「ヘネシーが戻ってきた」と暴力以上に恐れている様子。脱走して行方知らずのヘネシーが戻ってくるはずがない。職員たちはホラ話として取り合わないが、警察で養ってきたレッドマンの直感は、少年が真実を述べているのだと確信する。
 永遠の生命を得るために家畜小屋で自殺したヘネシー。彼の魂は雌豚に乗り移り、施設を牛耳る神として職員や生徒たちに恐れ、敬われている。
 施設に巣くう狂気を正すべく家畜小屋へ向ったレッドマンは、蝋燭を手に厳粛な儀式が行われているさまを目にする。人語を解し、偉大なる神として君臨する雌豚と対決の時を迎えるのだったが…。

「わかっている、わかっている。さあ、来い。裁いてやろう(p128)」と魔性の豚は人心を操る絶対君主であり、「食って食われること、それが獣の掟だ(p159)」と真理を語る賢者でもある。一方の主人公は忌み嫌われる警官の蔑称「豚」。この構図では、主人公の死は規定値みたいなものでしょ。
 権力者を嗤い、盲信する人々を嗤い、立ち向かう愚かしさも嗤う。さらに主人公に「裸のレイシー少年を横にはべらせたいのでは?(p147)」と独白させ、読み手の同情心を突き放す。計算され尽くした腹黒いユーモア。こういう作品こそバーカーの真骨頂なのかもしれない。

【サイト登録日】2008年5月13日 【ジャンル】悪魔・動物

▽メモ1豚の描写(p120)

成人男性の二倍はありそうな目方。健康そうなピンク色の肌、濡れたように光る黒っぽい茶色の目。

▽メモ2首つり死体の腐乱ゴア描写(p154)

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー