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『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』文庫表紙

セックスと死と星あかり

Sex,Death and Starshine,1984

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編74ページ/『血の本1:ミッドナイト・ミートトレイン』所収/集英社文庫

Books of Blood No.1,1984

美貌の名女優と夫の驚くべき正体とは?
芸術と永遠に彩られた死者の劇場へようこそ

 高尚な舞台を求めていながらも、昼メロスターのダイアンを切り捨てられない演出家テリー・キャラウェイ。1つは彼女の集客力、もっと重要なのはダイアンが得意とするフェラチオとセックスの快楽にあった。
 シェイクスピア劇『十二夜』のリハーサルは進むものの、ダイアンの大根演技はひどくなるばかり。おまけにイリジアム劇場の閉鎖が決定される。
 問題山積で頭を抱えるテリーは、リッチフィールドなる紳士の訪問を受ける。主役ヴァイオラ役にうってつけの女優として妻コンスタンティアを推薦するという。
 演劇を愛する紳士の想いに感銘するキャラウェイだったが、さりとてダイアンに降板を命じる勇気は持ち合わせていなかった。
 そんなとき、不慮の事故からダイアンが死亡。晴れて舞台に上がったコンスタンティアは名演を見せ、観客から拍手喝采を受ける。彼女が数十年前に死亡しており、観客の正体が明らかになったとき、悲劇という第二幕が開くのだった。

 戯曲家だったバーカーが作家に転じた理由を「芝居のプロデューサーは、駄目だ、というだけだが、出版社は精神科医を紹介したうえで本を出してくれる(p298)」とのこと。
 独りよがりの俗物芸術家が主人公なのも、大根役者は大根以外ではないと断言するのも、演劇界を痛烈にやりこめるネタ。ある意味では私怨プンプンの作品だけど、恐怖とユーモアが絶妙にブレンドされてるから気分良く読める。
 観劇のために墓場から甦ったゾンビが転んであごの骨を折ると「多少の笑いなくしてなんの<復活>か(p222)」と書いてみせる。吹いてしまった。

【サイト登録日】2008年5月13日 【ジャンル】劇場・ゾンビ・ユーモア

▽メモ1リッチフィールドの本当の顔(p203〜p204)

干からびた皮膚が垂れ下がる肉のない顔、なめし革のような顎、顔の大半は染みのあるすり切れた骸骨。強烈な腐臭。

▽メモ1コンスタンティア(p188)

美貌の名女優。20歳を迎える前に乳ガンで死亡(p188)

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー