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『血の本2:ジャクリーン・エス』文庫表紙

『血の本2:ジャクリーン・エス』文庫表紙

地獄の競技会

Hell's Event,1984

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編45ページ/『血の本2:ジャクリーン・エス』所収/集英社文庫

Books of Blood No.2,1984

100年に1度開かれる地獄の門
世界の存亡を賭けた競技会が幕を開ける

 オリンピックの金メダリスト、ジョエルは、チャリティマラソンのスタート地点にいた。最大のライバル、マクラウドも体調万全のようだ。公式競技ではないが、負けるつもりはない。ダークホースと目されている南アフリカの新鋭ヴォイトの情報はなにもないが、気にしても仕方ない。ゴール目指して走るのみだ。
 ランナーも見物客も、誰1人知らなかった。この競技会に地獄の使者が参加していることを…。
 100年に一度、地上に現出する地獄の第九圏。民主社会の打倒、人類の破滅を成就するためには、競技で人間に打ち勝たなければならない。100年目に当たる今年、このチャリティマラソンが人類の存亡を賭けた競技に選ばれたのだった。
 競技会を見つめながら、1人ほくそ笑む国会議員のバージェス。悪魔のしもべとして仕え、多大なる犠牲を払ってきた私の苦労がついに報われるのだ。
 世界の命運を賭けた競技会が幕を開ける。勝利するのは人間か、悪魔か。

 人間と悪魔の闘いを熾烈かつユーモラスに描く。同様の骨格を持つ『下級悪魔とジャック』に比べるとユーモアはどす黒く、ゴア描写も派手。とくに悪魔をチラ見しただけで悲惨な末路を迎える描写の数々は凄まじい。ユーモアも冷笑の色を濃くなり、「地獄は秩序を代表しているのだ。混沌だというのは天国の悪意のある宣伝にすぎん(p102)」と書いてみせる。
 黒人ランナーを主人公に据えて「自分は闇など恐れない。生まれながらに闇と同じ肌をしている。だからこそ、より人間らしいんだ。血も汗も肉体も、より豊かなんだ。(p113)」と独白させるなど、作者の人種観もかいま見せる。

【サイト登録日】2008年5月16日 【ジャンル】悪魔・ユーモア・スポーツ

▽メモ1悪魔の描写(p104)

灰色の巨体、象のような顔をした骨とくぼんだ目。名前はない。

▽メモ2地獄のランナーの描写(p118)

顔が溶け出し、深海魚のような歯が並ぶ巨大な口だけになる(p118)

▽メモ3悪魔との面談では必ずヤギ革のコートを着用する(p109)

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー