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『血の本2:ジャクリーン・エス』文庫表紙

『血の本2:ジャクリーン・エス』文庫表紙

ジャクリーン・エス

Jacqueline Ess:Her Will And Testament,1984

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編69ページ/『血の本2:ジャクリーン・エス』所収/集英社文庫

Books of Blood No.2,1984

人体を破壊する女超能力者を愛した男の運命
究極の愛を体現するスプラッターラブロマンス

 自殺の失敗と引き替えに強大な念動力を手に入れた主婦ジャクリーン・エス。自分を虐げる精神科医、夫を八つ裂きにすると、人生の再スタートを計る。
 弁護士ヴァッシーと恋仲になるジャクリーンだったが、自分の力を導いてくれる人間が必要だった。ヴァッシーは愛しい人だが、適任ではない。
 大富豪の実業家タイタス・ペティファーの元へ身を寄せたジャクリーンは、権力者の処世術を学んでいくのだった。
 一方のヴァッシーは、ジャクリーンのことが忘れられず、ついには地位や仕事も失ってしまう。落ちぶれた生活を送りつつも、いつの日か彼女と再会することだけを願っていた。
 裏切ったタイタスを血祭りにあげたジャクリーンは、肉体的な愛が、セックスこそが自分をより深く知るための最善の方法だと悟り、アムステルダムの売春窟へ身を寄せる。満たされぬジャクリーンとヴァッシーはついに再会を果たすが…。

 最初の読んだとき「もっと超能力の見せ場を」と思った。あれから20年と少々、今回の再読で作品に練り込まれていた切なさに胸を打たれた。自分自身がいろいろな恋愛を経験したせいか、2人の一途な想いが心に沁みる。
 一瞬の充足感を永遠のものにするため死を選び、溶けあって一体となる2人。人は独りでも生きられるけど、相思相愛の相手とならもっと豊かに生きられるはず。グロテスクな真摯さにあふれた愛情物語にふさわしいラストだ。
 彼女の寝顔を見て無力感にさいなまれる甘ったるい描写があるかと思えば、スプラッターは過激で容赦なし。この極端さもバーカーの持ち味の1つ。

【サイト登録日】2008年5月17日 【ジャンル】超能力・ロマンス

▽メモ1血祭りに上げられた人々(死亡順)

(1)精神科医。胸が女性の乳房のように盛り上がって爆裂(p131〜p132)

(2)夫ベン。自分をむさぼり食うがごとく全身を縮められ、30cm程度の泥状の肉柱と化す(p136〜p137)

(3)恐喝者の秘書リンドン。身体が真っ二つに引き裂かれる(p161〜p163)

(4)富豪タイタス。全身が歪められ四本足のカニのような化け物と化す(p178〜p180)

(5)ジャクリーンとヴァッシー…?

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー