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新・モルグ街の殺人
New Murders in the Rue Morgue,1984
作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)
Written by Clive Barker
短編53ページ/『血の本2:ジャクリーン・エス』所収/集英社文庫
Books of Blood No.2,1984
人間わざとは思えぬ残忍な殺人の数々
大家ポーの作品に逆転の発想で挑んだ意欲作
73歳にして成功を収めた画家ルイスは、旧友キャサリンの電報を受け、凍てつく冬のパリへやってくる。老齢の身にはひどく堪えるが、50年以上にわたる友情をむげにするわけにもいかぬ。
ルイス自身、パリには浅からぬ因縁を持っていた。彼の祖父は、ヴァージニア州で若きエドガー・アラン・ポーに出会い、旅行中の逸話を聞かせた。ポーはそれらの話を元にして『モルグ街の殺人』を執筆したのだ。作中の探偵C・オーギュスト・デュパンこそ、ルイスの大叔父に当たる実在の人物だったのだ。
キャサリンの70歳になる弟フィリップが、19歳の愛人ナタリーを惨殺した罪で逮捕されたという。助力を求められたルイスは、なんの因果か、素人探偵をやるはめに。拘置所のフィリップを訪ね、犯行現場となったアパルトマンへ向かう。そこでコートを着た大男を目撃。強い香水を匂わせ、ちょこちょこした歩き方。この奇妙な男は事件となんの関係があるのだろう。
1841年に発表されたポーの短編『モルグ街の殺人』は、レスパネェ母娘を惨殺した犯人の正体は? という謎を論理的に推理・解明する作品。この点によって近代ミステリ小説の祖といわれるらしい。諸説あるらしいけど。
好きな作家としてポーを挙げているバーカーは『モルグ街の殺人』の理路整然さをひっくり返してみせる。気まぐれな思いつきでゴリラを人間のように躾けるフィリップ。人間として生きようとするゴリラは、愛を理解するために人を殺す。ポーが人の英知で解決した物語を、バーカーは傲慢さで破滅する人の物語として描いてみせる。ドス黒いユーモアに満ちた作品だった。
【サイト登録日】2008年5月18日 【ジャンル】科学・動物
▽メモ1人間とゴリラのDNA
ナショナルジオグラフィックスチャンネルのドキュメンタリー番組によりますと、人間とゴリラのDNAは97,7%同じらしいです。
クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー







