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『血の本3:セルロイドの息子』文庫表紙

『血の本3:セルロイドの息子』文庫表紙

好色稼業・屍衣の告白

Confessions of a (Pornographer's) Shroud,1984

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編59ページ/『血の本3:セルロイドの息子』所収/集英社文庫

Books of Blood No.2,1984

屍布に転生した男の壮絶な復讐劇
古典ホラーの影響濃いゴーストストーリー

 教会で懺悔を待つロニー。その身体は白い布でできており、力は尽きかけていた。禁欲的で良き家庭人だった自分の転落を静かに思い返す白布の男…。
 発端は、報酬に目を奪われた自分に落ち度があった。マグワイアなる男の会計士として雇われるが、彼がポルノ業界の悪党だと知るや時すでに遅し。リンチされ、ゴシップ新聞にはポルノの帝王として自分の名前が報じられている。
 妻と子は家を離れ、失意の底でもがくロニーは、ついに復讐を決意。2人の手下を暗殺し、残すはマグワイアのみ。しかし、拉致監禁され、むごたらしい拷問の末に絶命するのだった。
 解剖台の上で目覚めたロニー。意識は脳の中でグルグル回っているのに肉体は死んだまま。自分の身体をぞんざいに扱う検死官の態度に怒りを覚えるや、液体状の魂が自分の死骸を覆う白い布に吸い取られる。彼は布に転生したのだった。検死官をひねり殺したロニーは立ち上がる。マグワイアに復讐するために…。

 自分の死体を覆う白い布に転生した主人公。その姿は、ゴシック小説や古典ホラーに出てくる幽霊そっくりで、ウェルズの『透明人間』にも通じるユーモラスさがある。
 魂に関する下りでも古典ホラーにならっているのがわかる。「液状体の魂がほんの少し染み出し、〜屍衣に吸い取られた(p179)」。オカルト世界では、霊魂を形作る物質をエクトプラズムというらしい。誰も証明してないけど。
 古典にこだわったバーカーだけどゴアは健在。敵の口に布の手を突っ込み、内蔵をワシ掴みにして引っこ抜く。フルチの『地獄の門』を思い出した。

【サイト登録日】2008年5月23日 【ジャンル】悪魔・怪物・モンスター

▽メモ1屍衣について

中学生のときに読んだポー作『アッシャー家の崩壊』に「屍衣」という言葉が出てた。「経かたびら」のことだろう、と辞書を引いたら載ってなかった。いま現在も載ってない。

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー