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『血の本3:セルロイドの息子』文庫表紙

『血の本3:セルロイドの息子』文庫表紙

生贄

Scape-Goats,1984

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編47ページ/『血の本3:セルロイドの息子』所収/集英社文庫

Books of Blood No.2,1984

海図にも載っていない小島に座礁したヨット
溺死者の埋葬地とも知らずに上陸した4人は…

 ジョナサンとあたし(フランキー)、レイとアンジェラを乗せたヨット<エマニュエル号>が、スコットランド沖のインナーヘブリディーズ諸島で座礁した。
 海図にさえ載っていない直径1km程度の小島。見渡す限り石だらけで、妙に甘ったるい悪臭が漂っている。
 上げ潮を待つ間、島を散策したあたしたちは、柵の中でひどく衰弱した3頭の羊を見つける。無人島に羊がいるのは、いったいどういうわけだろう?
 酔っぱらいのジョナサンをその場に残し、船に戻ろうとしたあたしの背後から羊の悲鳴が…。急いで戻ったあたしは、1頭の羊に大きな石を振りかざしているジョナサンの狂気を目撃する。過度のストレスが原因なのだろうか。
 急いで船に戻ったあたしは、ヘブリディーズ諸島の本に目を通していたレイから聞かされる。この島は海流によって流れ着いた溺死者の埋葬塚らしい、と。
 羊は生贄なのだろうか。死者がその肉を食べるとでも…。

 海洋ホラーは、海上・海中・孤島の3パターンに分かれる。共通しているのは、逃げ場が限られていること。舞台そのものが恐怖を演出してる。
 本作も海洋ホラーの一種だけど、すべての要素をミックスしてて怖さの軸がブレちゃってる気がする。孤島の不気味さ、人間の狂気、水死者の幽霊、溺死の恐怖、すべてがおざなり。生きている者に気をかけてほしい、慰めてほしい、という水死者の想い。この発想はおもしろいんだけどね。
 読み終わって心に残ったのは、セックス描写と転がってきた石に顔の上半分を吹き飛ばされるゴアシーンだけ。

【サイト登録日】2008年5月30日 【ジャンル】海洋・孤島・難破・幽霊・死者・ゾンビ

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー