全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

非人間の条件

The Inhuman Condition,1985

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編62ページ/『血の本4:ゴースト・モーテル』所収/集英社文庫

Books of Blood No.4,1985

奇妙な3つの結び目のついた紐に潜む恐怖
結び目にはいかなるものが封印されているのか

 ホームレスの老人ポープに憂さ晴らしのリンチを加える不良少年レッド、ブレンダン、カッツォ。その行為を嫌悪のまなざしで見つめる最年少者カーニーは、ポープの持ち物から奇妙な3つの結び目がついた長い紐を見つける。興味を惹かれたカーニーは、紐を持ち去り、昼夜を問わずに結び目をほどくことに熱中する。
 ある夜、ブレンダンとカッツォの押し入り強盗の見張り役を請われたカーニーは、ようやく結び目の1つをほどくことに成功する。結び目からはなんともいえない光が放たれ、なにかが出現してカッツォに襲いかかった。
 葬儀の日、カーニーの前に現れたポープは盗んだ紐の返還を迫る。「わしからあれを奪うなら、死んだも同然だぞ、小僧」
 仲間たちに危機を知らせるべく奔走するカーニーだったが、2つ目の結び目とともに解き放たれた化け物にレッドが殺され、怯えた声で助けを請うブレンダンからの電話。廃車置き場へやってきたカーニーは、ポープとの対決を迫られる。

 小道具ホラーはたくさんあるけど、拍手喝采レベルの作品ってあんまりない。そもそもホラー小説は人間が感じる恐怖を描くわけだから、小道具が目立ちすぎてもダメ、存在感が希薄でもダメ。描き方に超人的なバランス感覚が求められる。このバランスを完璧に保っている『猿の手』を超えるのは、読み手の心を揺さぶるほどの筆力か、息をのむほどのアイデアが必要だと思う。
 本作に出てくる「封印された結び目の紐」という小道具アイデアは面白いけど、解き放たれるモノの怖さが主眼で、結び目に執着する主人公の心の動きがペラペラ。彼が味わう自業自得的な恐怖が響いてこない。残念な作品。

【サイト登録日】2008年7月23日 【ジャンル】異世界

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー