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『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

The Body Politic,1985

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編64ページ/『血の本4:ゴースト・モーテル』所収/集英社文庫

Books of Blood No.4,1985

意志を持った手が人間に反抗を始めたら…
ユニークな着想で描く血まみれ革命譚

 起床のたびに手と手首に痛みを覚えるチャーリー・ジョージ。仕事のせいかもしれないが、そういえば最近妙な出来事が多い。無意識のうちに鉛筆をヘシ折っていたり、他人の手を握ったり、妻への愛撫も格段に向上したようだ…。
 精神科医の診察によって気を楽にしたジョージだったが、両手の反乱はいまや計画から実行のときを迎えていたのだった。
 10月の蒸し暑い夜。妻エレンは、寝息をかく夫ジョージの両手が会話でもしているようにうごめくさまを目撃する。見られたことを悟った両手がエレンの首を締めつける。目覚めたジョージは愕然とした。オレが妻を殺してしまった。
 慌てて精神科医に電話するジョージだが、包丁を握った右手が左手を裁ち落とすのを止めることができない。束縛から逃れた左手には、反乱のリーダーたる右手を自由にする使命がある。夜の街へ繰り出した左手は、切断された手の群れからなる革命軍を組織し、ジョージが収容された救急病院を襲撃するのだが…。

 ホラーは"受け身"のジャンル。登場人物が受けた恐怖を読み手が追体験する。この視点をひっくり返し、恐怖を与える側(モンスターとか超常現象)から描くとどうなるか。人間を怖がらせたり、殺害することに達観しているから、むしろ愉快、痛快に感じているはず。ゆえにモンスター視点の小説は、恐怖よりもコミカルさが強くなる傾向にある。吸血鬼が自分の人生を語り始めるアン・ライス著『夜明けのヴァンパイア』が好例でしょ。耽美的と言われているけど、その根っこには間違いなく暗い嗤いが潜んでいる。
 手の視点が盛り込まれた本作も全編ユーモラスな雰囲気に満ちている。

【サイト登録日】2008年7月25日 【ジャンル】侵略

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー