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『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

悪魔よ、来たれ!

Down, Satan!,1985

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編8ページ/『血の本4:ゴースト・モーテル』所収/集英社文庫

Books of Blood No.4,1985

悪徳の限りを詰め込んだ地獄の宮殿
悪魔との面会に挑んだ男の狂気の末路

 悪行を重ねたすえ、ついに全世界を掌中に収めたグレゴリウス。そんな彼が55歳となったとき、足りないものがあると気がつく。自分には神がいない。
 ローマ教皇に直談判し、祈りを捧げ、神学校も寄贈した。いかに善行を尽くそうと、神が現れる兆しはまったくなかった。
 彼は考えた。魔王サタンとの会談の現場を見れば、さすがの神も救いの手をさしのべるに違いない。しかし、サタンをいかにして呼び寄せよう。そうだ、悪魔どもが悦んで推参するような宮殿を造ろう。
 莫大な資金を投じて北アフリカの地に壮大な宮殿"阿呆宮"が完成する。壁の裏には炎が燃えさかり、苦痛を与える回廊が張り巡らされ、古今東西あらゆる拷問具がひしめく。あらゆる悪徳を収めた地獄の宮殿だった。
 宮殿で独り、来訪を待つグレゴリウスだったが、気配はすれども姿を見せぬ悪魔。完成から3年が経ち、宮殿を訪れた官吏が見たものとは…。

 富豪、権力、宮殿など、おおざっぱな設定を用いて、おとぎ話のように読ませる作品。『血の本』シリーズで一番ページ数が少ない。
 ゴア描写と神話性を重んじるバーカーにしては、"悪徳と苦痛に満ちた宮殿"をさらりと登場させるだけに終わっている。この宮殿の存在は、のちに『魔道士(The Hellbound Heart,1986)』へとつながるのかもしれない。
 宗教を転がすのが好きなバーカーだけど、本作でコケにしているのは人間の強欲。富と権力を過剰に得た人のイカレっぷりと描いている。血塗れを描いて富を得ている私もイカレてるのさ、と己自身を嗤う作品なのかも。

【サイト登録日】2008年8月28日 【ジャンル】悪魔

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー