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『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

『血の本4:ゴースト・モーテル』文庫表紙

欲望の時代

The Age Of Desire,1985

作:クライブ・バーカー(大久保寛訳)

Written by Clive Barker

短編75ページ/『血の本4:ゴースト・モーテル』所収/集英社文庫

Books of Blood No.4,1985

性衝動を解放する禁断の薬物実験
万物に欲情する男は<欲望の時代>を夢見るが…

 身体から炎が吹き上げてくるような衝動にとまどいながら、血塗れの男はよろよろと歩き出す。一刻も早くこの場から立ち去らねば…。
 研究所から通報を受けた警察は、女性研究員の惨殺体とひどく怯えた男性研究員を発見する。女性には激しいレイプの痕跡があり、全身切り裂かれていた。
 押収したビデオテープには、<ブラインド・ボーイ・プロジェクト>の文字が写し出され、おとなしそうな被験者が突然凶暴化して2人の研究者を襲うさまが収められていた。彼らは個人的な実験を進めていたらしい。
 その頃、被験者のジェロームは、わき起こる衝動に身を焦がしていた。薬物投与で性的衝動だけが限りなく増大していく性欲昂進症の彼は、人間ばかりか、レンガ壁の穴や樹木にいたるまで、万物が発する肉欲の熱にうかれていた。
<啓蒙思潮の時代><宗教改革の時代><理性の時代>。そして、世界を照らし出す新しい炎<欲望の時代>がやってきたのだ。

「セックスは気持ち良いけどヤリすぎると苦痛。でも苦痛を通り越すとワンラクンク上の快楽にたどり着けるかもネ」。この「快楽と苦痛」の追求がバーカーの諸作を支えている。目新しいテーマじゃないけど、モダンホラーという土俵に上げたことが売れた要因の1つかな。エロ・グロ・ナンセンス。
 本作で性衝動のリミットが外れた主人公に「万物(レンガ壁の穴や樹木であっても)と結ばれれば素晴らしい体験だろう」と言わせるけど、その代償として死を用意する。性衝動による人類滅亡までは描かない。ゴアとセックスにまみれた作品で語られるバーカーだけど、実は保守的な人かもしれない。

【サイト登録日】2008年8月29日 【ジャンル】狂科学

▽メモ1風刺劇か

 主人公が街中をさまよう場面で「どんなものにも、肉体の息吹を感じていた(p279)」とあるように、ありとあらゆるところに欲情が満ちていると述べています。

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー