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『血の本5:マドンナ』文庫表紙

『血の本5:マドンナ』文庫表紙

禁じられた場所

The Forbidden,1985

作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)

Written by Clive Barker

短編73ページ/『血の本5:マドンナ』所収/集英社文庫

Books of Blood No.4,1985

ぼくの存在を信じるかい?
人の噂の中で生きる魔物キャンディマンの恐怖

 都市開発の華と目されたスペクター・ストリート団地だったが、わずか3年半で目に余る荒廃ぶりを露呈していた。
 落書きに関する論文執筆のため、団地を訪れた大学職員ヘレンは、赤子を連れた若い母親アン=マリーから別棟の空き部屋に興味深い落書きがあると聞く。
 さっそく部屋に侵入したヘレンは、怪物のように歪んだ顔の落書きに魅入ってしまう。落書きのそばには「甘いものには甘いものを」という意味深な一文…。
 無関心な夫の冷笑を浴びつつもヘレンは再び団地を訪れるが、アン=マリーの赤子が惨殺されたことを知る。
 これが最後、と落書きを眺めるべく部屋に忍び込んだヘレン。その背後に男が立ちふさがる。「きみはぼくの存在を疑った。与えられた物語に満足しなかった」
 砂糖菓子のような息、無数の蜂を身体に宿した男が語りかける。
「ぼくはキャンディマン。きみを襲いたい…」

 邪悪なコミュニティと知らずに分け入った主人公を襲う恐怖。ホラーの定番ネタで、あえていうなら隣人ホラー。このジャンル最大の収穫は、最先端都市ニューヨークでの怪異を描いた長編『ローズマリーの赤ちゃん』。悪魔崇拝、疑心暗鬼に陥っていく妊婦など、息苦しい恐怖感に充ち満ちている。
 荒廃が進む巨大団地を舞台にした本作の場合、部外者お断りの逼塞感や悪意の怖さよりも、超常的な闇の存在キャンディマンが中心。ページ数の関係だろうけど、クライマックスで一気に過熱するタイプ。
 本作の映画版は、キャンディマンをフィーチャーし、ストーリーは別物。

【サイト登録日】2008年8月29日 【ジャンル】モンスター・邪教

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー