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夢の中
In The Flesh,1985
作:クライブ・バーカー(宮脇孝雄訳)
Written by Clive Barker
短編87ページ/『血の本5:マドンナ』所収/集英社文庫
Books of Blood No.4,1985
闇の力で現世への復活を画策する亡霊
絶望的な戦いの果てに受刑者が目撃した真実
ペントンヴィル刑務所で服役中の麻薬密売人クリーヴランド・スミスは、新米囚人テイトの面倒を見るよう命じられる。
荒くれ囚人と暮らすには、あまりにも貧弱な青年テイト。トラブルを避けたいクリーヴの意に反し、凶悪なゲイの囚人ロウェルと一悶着が起こる。おまけに刑務所のことを調べ回っているらしく、他の囚人たちの評判も悪い。
いったい何を調べているのか。問いただすクリーヴにテイトが語り始める。「この刑務所で絞首刑になった祖父エドガー・セント・クレア・テイトの墓を探している。彼から力の使い方を学ぶつもりだ」。
監視厳重な監房の中でロウェルが惨殺され、テイトは不敵に笑う。「そうさ、ぼくが殺したんだ。うちのじいさんに怖いものはないんだ」
ついに出現したエドガーの亡霊は、我が孫テイトに魔手を伸ばす。肉体を奪って現世に復活するつもりなのだ。青年を救うべく対峙するクリーヴだが…。
密室系プリズンホラーは、バランス感覚を要求されるジャンルだと思う。登場人物は究極のリアリストである犯罪者、常時監視というオマケも付く。一歩間違えると「モンスターより不敵な犯罪者」「怪異vs看守」が目立ってしまい、恐怖感や緊張感が引っ込んでしまう。
『豚の血のブルース』で見事なプリズンホラーを描いたバーカーだけど、狡猾さ、陰惨な魅力において、本作はやや劣っていると感じる。ひ弱な青年、頑強な大人の中心人物ペアも造形、役割共に『豚の〜』と代わり映えしない。死者の街で殺人者が赤子に転生する「罪の誕生」のアイデアは面白いんだけど。
【サイト登録日】2008年9月6日 【ジャンル】変身・復活・心霊・輪廻転生
クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー







