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『血の本6:ラスト・ショウ』文庫表紙

『血の本6:ラスト・ショウ』文庫表紙

侵略者の血を

How Spoilers Bleed,1985

作:クライブ・バーカー(矢野浩三郎訳)

Written by Clive Barker

短編57ページ/『血の本6:ラスト・ショウ』所収/集英社文庫

Books of Blood No.6,1985

ジャングルに息づく呪術の鼓動…
『血の本』シリーズ唯一の秘境ホラー

 鉱物資源を発掘して一攫千金を狙う現実主義者のリーダー格ロック、元傭兵のチェリック、ドイツ人の通訳シュトゥンプは、政府から土地の権利を買い取り、うっそうとしたアマゾンのジャングルへ分け入っていく。
 代々生活を営んできた部族に立ち退きを命じるが、西洋人たちの恫喝にも馬耳東風のありさま。腹を立てたチェリックは、小屋に向かって威嚇射撃するが、運悪く子供の命を奪ってしまう。部族の老人は、チェリックの前に進み出ると血塗れの両手を突き出する。死体に触れたわけでもないのに、なぜ血が…。
 小さな交易所まで戻ってくるが、翌朝チェリックが絶叫をあげる。ささいな衝撃で肌が裂け、血が噴き出し、しまいには腐りながら死んでいった。
 サンタレムの街へ引き上げた2人だったが、今度はシュトゥンプが宙に舞う埃で全身を切り刻まれて悶死する。
 ジャングルへ舞い戻ったロックは、果たして呪いを解くことができるか。

 秘境ホラーの怖さは、文明社会の理屈が通用しないところにある。呪術もそうだし、ジャングルの濃密な雰囲気も薄気味悪い。大量の酸素を生成し、地球にかけがえのない場所なのはわかっているけど、嫌悪感のほうが強い。ちょうど『マドンナ』でバーカー自身が描いたように「生命誕生のグロテスクさ」がそっくり当てはまる場所こそジャングルじゃないかな、と思ったりする。
 呪術、ジャングル、尊大で強欲な文明人をミックスした本作は、登場人物の造形がステレオタイプという点ですごく損をしている。読み終わると、ありがちな物語という記憶しか残らない。ちょっと残念な作品だ。

【サイト登録日】2008年9月7日 【ジャンル】悪魔 疫病 ジャングル 秘境

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー