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『血の本6:ラスト・ショウ』文庫表紙

『血の本6:ラスト・ショウ』文庫表紙

ラスト・ショウ

The Last Illusion,1985

作:クライブ・バーカー(矢野浩三郎訳)

Written by Clive Barker

短編97ページ/『血の本6:ラスト・ショウ』所収/集英社文庫

Books of Blood No.6,1985

魂を巡って死闘を繰り広げる私立探偵と悪魔
『血の本』シリ−ズの終尾を飾る最大の作品

 驚異のマジックでニューヨークの話題を独占した奇術師スワンの事故死。
 悪魔に煮え湯を飲まされたオカルト経験を持つ私立探偵ハリー・ダムーアは、亡きスワンの妻ドロシーと執事ヴァレンティンから「遺骸が火葬にされるまで棺を監視してほしい」と依頼される。
 その夜、棺から起きあがった血塗れのスワンに襲われるハリー。幻覚か。
 目覚めたハリーは、ヴァレンティンが消えたと聞かされる。彼が食事に薬を盛ったらしい。火葬の準備が整った、と弁護士バターフィールドから謝礼を受け取って辞去するハリー。あの出来事は、本当に薬の作用だったのか…。
 夜の街を行くハリーに懇願するヴァレンティン。敬愛するスワンは悪魔と契約したが、望んでいた魔力が得られなかったため、魂と肉体を与えないことをたくらんだ、という。美貌の未亡人ドロシーも悪魔の息がかかった者なのだ。
 地獄の悪鬼に支配されたスワン邸へ急ぐ2人。壮絶な死闘が幕を開ける。

 オカルト探偵といえばタイタス・クロウやジョン・サイレンスのように知識と経験で闘うタイプが多く、知性派といった感じ。バーカーは探偵ハリーを肉体行動派と描き、化け物悪魔とド派手なアクションを演じさせる。『ミッドナイト・ミートトレイン』に立ち返ったようなグロテスクなビジュアルホラーはチープだけど、チープならではのおもしろさが凝縮されている。
「おまえに休息はない。私はおまえの敵となるぞ」と捨て台詞を吐く悪魔に対し、ハリーは言う。「望むところだ」。
 本作執筆から20数年。いまだ続編の音沙汰なし。寂しい。

【サイト登録日】2008年9月9日 【ジャンル】悪魔・モンスター・オカルト・探偵

▽メモ1悪魔カストラート(P236など)

鏡の中から出現した化け物。新石器時代のヴィナス像の腹部と乳房を持つ小山のような人間の形をしており、内蔵は業火となって燃え上がって体中の至る所から漏れ光っている。腐った野菜のような臭気を放ち、新鮮な花が枯れさせるほど。

▽メモ2悪魔たちの死に様(P275)

ある者の避けた腹からは何千という卵が吐き出され、ある者の割れた頭からは小さな鰻は這い出し、その口で天井に吸い付いてぶら下がる。

▽メモ3悪魔ラパリー(P275〜P276)

6本の足を持つ化け物。他の化け物が道を空けたことから強力な力の持ち主にようだ。鉄工場で鍛造され、悪意という燃料で動くエンジンのようなもので、鎌型の顔には白い目が付いている。

クライブ クライヴ バーカー ヴァーカー