全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

闇の孕子

The Brood,1980

作:ラムジー・キャンベル(広瀬順弘訳)

Written by Ramsey Campbell

短編27ページ/『闇の展覧会 敵』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

夜の街に立つ老婆の不気味な行動
廃屋に潜む恐るべき存在を描いた昆虫ホラー

 利己的な飼い主とのやり取りに疲れ果てて帰宅する獣医ブラックバンド。
 3Fのアパートから夜に沈んでいく往来を眺め、このあたりを徘徊していた不思議な人々を見かけなくなったことに思いいたる。空に向かって叫ぶ男、真夏でも7枚のセーターを重ね着する男、宙を舞う紙くずを必死で捕らえる男。毎夜、街灯の下にポツンと立つ老婆だけはいまでも見かける。街娼のなれの果てか?
 その老婆、家に帰るときに必ず野良猫や野良犬を連れていく。その家は廃屋寸前で灯りのついたためしもない。生活の気配がまったくないのだ。
 日が経ち、老婆の姿を見えなくなると、ブラックバンドは好奇心をくすぐられる。連れ帰った動物たちをきちんと飼育しているのか、虐待しているのではあるまいか。仕事も上の空になったブラックバンドは、ある夜、家から猫の鳴き声のような音を耳にする。たまらずに荒れ果てた老婆の家へ侵入するブラックバンド。
 地下室で鳴いている声の主とは、どのような生き物なのか?

 イギリスホラー界の重鎮として知られるキャンベルだけど、最初に読んだ長編デビュー作『母親を喰った人形(The Doll Who are His Mother,1976)』は、くだくだしい文章に疲れただけ。翻訳のせいかもしれないけど、以降に読んだ数々の短編も印象に薄い。キャンベルと相性が悪いのかも。
 本作は、笑えないコメディという感じ。勝手に踏査を始め、唐突にカリプトラ・イウストリガタ(吸血蛾)!と断じ、焼き殺そうと放火し、階段から滑って脊椎を折り、吸血蛾の餌食となる。主人公がイカれていた、というサイコ系とも読めるけど、いずれにせよ構成が雑なのでシラけてしまう。

【サイト登録日】2008年9月25日 【ジャンル】昆虫

▽メモ1原書では12番目に掲載。

▽メモ2カリプトラ・イウストリガタ

実在しているか不明。虫キライなので調べるが苦痛です。

▽メモ3マッコーリーが評するキャンベル(p147)

編者マッコーリーが作者紹介文の中で「婉曲な描写、緻密な道具立てを用いて(p147)」とあります。婉曲をどういう意味で使ってるのか不明ですが、褒め一辺倒ではない気がします。