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『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

笛吹く古井戸

The Whistling Well,1980

作:クリフォード・D・シマック(広瀬順弘訳)

Written by Clifford Donald Simak

短編53ページ/『闇の展覧会 敵』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

恐竜の胃石に刻まれていた文様は何を意味する?
人類発祥前より存在する未知の怪物との邂逅

 叔母からの手紙を受け、遠路ニューイングランドに来たトマス・パーカー。
 老いた叔母はいう。「パーカー一族の家系をくまなく調べてほしい」。
 息を飲む報酬につられ、文筆家のトマスは調査を開始。ついに最終目的地のパーカー尾根に着く。移民の先祖が南北戦争後に居を構えた場所だ。
 近隣住民の言い伝えによると、尾根には笛の音を鳴らす井戸があり、パーカー一族も突然村を放棄したという。迷信を信じないトマスは、風の吹き込み方によって笛のような音を鳴らすのだろう、と当たりをつける。
 キャンピングカーで尾根に乗り付けたトマスは、洞穴のようなところで小石を見つける。恐竜が胃の中に入れて咀嚼の助けとしたガストロリスに違いない。油を塗ったようななめらかな表面を観察すると、図案が掘ってあることに気づく。数千万年前の石になぜこんなものが?
 その夜、監視されているような不気味な気配を察知するトマスだったが…。

 人類滅亡後の地球を描いたSF長編『都市』で知られるシマック。かねてから読みたいと思っているんだけど、絶版でいまだ読めず。かといって探し回ったり、プレミア価格で買うほど注視してない。ホラー以外はテンション落ちる。ハヤカワさん、復刊よろしく。
 本作は、人類誕生以前から存在している者、というホラーおなじみのテーマを扱っている。恐竜から人間まで地球の生命は脈々とつながっている、という進化を切り口にしているところがSFっぽい。朽ちた風車、闇に紛れる生物、と不気味さは十分だけど、肝心の笛吹く井戸がなおざりになっている感じ。

【サイト登録日】2008年11月10日 【ジャンル】太古・悪魔・怪物

▽メモ1原書では13番目に掲載。

▽メモ2怪物の描写(p246)

姿をはっきりと捉えることはできない。もつれ、絡み合い、押せば膿でも出そうなブヨブヨした感じ、うろこがビッシリ生えているような気色悪さ。

▽メモ3ガストロリス(p209)

胃石のこと。胃の内容物をすりつぶして消化を補助するために飲み込む石。現在の鳥にも「砂肝」という似たような働きをする器官があります。Gastroliths、gizzardとも。参考サイト:gizzard - Britannica Online Encyclopedia