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『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]1 敵』文庫表紙

赤黒い薔薇の庭

A Garden of Blackred Roses,1980

作:チャールズ・L・グラント(広瀬順弘訳)

Written by Charles Lewis Grant

短編44ページ/『闇の展覧会 敵』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

不可思議な力に翻弄される人々
血のごとき薔薇に宿る怪異を描く植物ホラー

 雪景色のホーソーン通りにひっそりと建つディムズデイル屋敷。ヴィクトリア王朝風の立派なたたずまいだが、人が住んでいる気配はなく、その庭には血を思わせる赤黒い薔薇が咲き誇っている…。
 1…愛する家族と幸せに暮らすスティーブン。ふとした気まぐれでディムズデイル屋敷の薔薇を盗みとった翌日、17年も飼っていた愛猫タンバーが死ぬ。庭に埋葬し、薔薇を捧げて冥福を祈るスティーブンだが、その夜、猫の鳴き声が…。
 2…若者が集うキッチンを営む老夫妻ホーキンズとエドナ。屋敷の薔薇を身につけた妻が急に若々しくなる。不審に思ったホーキンズが屋敷に侵入してみると…。
 3…ディムズデイル屋敷の薔薇を片想いのジニーにプレゼントしたシッド。ついにジニーと甘いキスをかわすのだが、「あなたって、ほんとうにおいしそう」とジニーが一口食べ始め…。
 4…屋敷の地下へ降りゆく黒い牧師装の男。いったいその目的とは…。

 植物が持つ不可知な怖さがたっぷりと詰まった作品。ラストに登場する男がディムズデイル本人か、別人かは語られていないけれど、「(血が滴る指を)胸元に描かれた赤い文字に触れ(p296)」とあるから、本来ならばホーソーン作『緋文字』のパロディホラーとして読むべきなんだろうなと思う。でも薔薇の様子がメチャ怖かったので、本サイトでは植物ホラーと呼ぶ。
 それにしても植物って怖い。歩き回るわけじゃないのにコンクリ突き破る驚異的な生命力とか、食虫植物みたいに極端な進化も不気味。人を殺す毒を持つけど酸素も作り出す。いろいろな要素がゴチャになっているから怖い。

【サイト登録日】2008年11月10日 【ジャンル】植物・呪い・宗教

▽メモ1原書では20番目に掲載。

▽メモ1ディムズデイル

ナサニエル・ホーソーン作『緋文字』に登場する牧師の名前。