全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

闇の天使

Dark Angel,1980

作:エドワード・ブライアント(真野明裕訳)

Written by Edward Bryant

短編34ページ/『闇の展覧会 罠』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

心身に深い傷を負った女性と元恋人の再会
現代の魔女による壮絶な復讐劇が幕を開ける

 依頼人のさまざまな悩みをカウンセリングと実践で手助けしている現代の魔女、アンジー・ブラック。37歳。
 コロラド・スプリングスの当世風なレストラン<カフェ・ケルベロス>で依頼人との懇談を終え、くつろぐ彼女におずおずと話しかける男性。
「アンジー? アンジー・ブラックかい?」
 ジェリー・ハンフォード。20年前に別れた恋人。下種野郎め。
 夕食に誘いを承諾したアンジーは、その足でコロラド大学付属図書館を訪れ、キュラヌス著『ペルシャ王キラニの呪術』をひもとく。
 20年前、若気の至りで妊娠した彼女は、誰に助けもなく途方に暮れていた。ついに出産を決意するが死産となり、二度と子供の産めない身体となってしまった。こんなところでジェリーに会ったのは偶然の僥倖というべきだろう。
 アンジーは、持ち前の呪術で巧妙かつ残酷な復讐を仕掛ける。

 ホラー小説における妊娠の扱いには、おもに2つのパターンがある。1つは悪の苗床であり、誕生を手助けするもの。ラヴクラフトの『ダンウィッチの怪』が好例。2つ目が罪過の代償という描き方。自業自得などの理由で孕むつもりでないのに、というパターン。本作は後者に属し、呪術によるありえない妊娠、苦痛をともなう罰という2つの恐怖を描いている。奇遇にも本アンソロジーの1巻所収『リンゼイと赤い都のブルース』も同じようなネタを扱っている。両者共に男性作家。妊娠の神秘、不可知、畏怖が先立ち、物語うんぬんは後付けなんだろうな、と感じる。

【サイト登録日】2008年11月20日 【ジャンル】呪術・魔女・復讐・妊娠

▽メモ1原書では5番目に掲載。

▽メモ2ニネベの空中庭園(p32)について

バビロンの空中庭園のことを指していると思われます。ニネベは、旧約聖書に登場するアッシリア帝国の首都名で、バビロン帝国によって滅ぼされました。
バビロンの空中庭園は古代世界の七不思議に数えられていますが、実在した証拠が見つかっていない唯一の建造物です。ちなみに現存しているのは、ギザの大ピラミッドのみです。世界の七不思議 - Wikipedia

▽メモ3キュラヌス著『ペルシャ王キラニの呪術(1685、ロンドン)』(p41)は、架空の呪術書?