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『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

精神一到…

Where There's a Will,1980

作:リチャード・マシスン&リチャード・クリスチャン・マシスン(広瀬順弘訳)

Written by Richard Matheson and Richard Christian Matheson

短編13ページ/『闇の展覧会 罠』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

目覚めるとそこは棺桶の中だった
脱出すべく奮闘する男を待つ皮肉な運命

 真っ暗で冷え冷えとした場所で目覚めたチャーリー。
 やけにのどが渇くと身体を起こそうとしたら、何かに頭をぶつけてしまう。四方を囲まれているようだ。
 ポケットを探る。キーとライターが見つかる。着火させると内張りが見え、四辺それぞれ数インチの隙間しかない。どうやら棺の中にいるようだ。
 事業を成功させてきた自分をやっかんでいる者は多い。あいつらは会社を乗っ取るつもりなのだろう。
 そうはさせじ、とチャーリーは奮起する。あいつらには負けたくない。ここから抜け出して、もくろみを破ってやる。
 持ち前の粘り強さで、柩の内蓋を削り、火であぶり、小さな穴を大きく穿ち、爪が折れるのも顧みずに地上に向かって掘り進めていく。ついに地上へと這い出すチャーリー。「精神一到何事も成らざらん」と勝ち誇るのだが…。

 大好きな作家の1人、リチャード・マシスン。欧米ホラーに目覚めた中学生の頃、図書館で借りた『地球最後の男』が最初の出会いだった。「吸血鬼に支配された地球」というスケールの大きさに驚いたことを覚えている。翻訳にしては平易な文章で、スラスラと読めたこともうれしかった。
 本作は13ページの小品ながらも先へと先へとページをたぐりたくなる。読ませる作品のお手本といえる。マシスンがメインライターを務めていた『ミステリーゾーン』のような、奇妙な味わいがあっておもしろい。
 ホラー小説史上でも稀な親子共作。アイデアは親、執筆は息子かな?

【サイト登録日】2008年12月6日 【ジャンル】墓地・埋葬・復活

▽メモ1原書では22番目に掲載。