全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

ビンゴ・マスター

The Bingo Master,1980

作:ジョイス・キャロル・オーツ(真野明裕訳)

Written by Joyce Carol Oates

短編42ページ/『闇の展覧会 罠』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

狡猾で無慈悲なビンゴ・マスターの誘惑
処女喪失をもくろむ女性を打ちのめした一夜の話

 数々の賞に浴した作家でありながら、病に倒れた母の看病のために筆を擱いたローズ・マロウ・オウダム。その母も逝き、いまや体調の芳しくない父、叔母と共に生まれ故郷の小さいな街トーフェットで暮らしていた。
 39歳の誕生日前夜、彼女は"自分へのプレゼント"として処女を捨てる決意をする。それから2ヶ月、ローズの目論見はなかなか成就せず、ついには街の話題を独占しているビンゴゲーム会場へと足を運んだのだった。
 ビンゴに当選してステージへ上がったローズは、大会の胴元であり、街の話題を独占するハンサムな男ジョー・パイに誘われ、ホテルのラウンジで酒を酌み交わすことになる。自分の部屋に来ればもっと水入らずになれる、というジョー・パイの甘言にのせられ、部屋に向かったローズ。
 酔いが回って前後不覚になったローズは、抱きすくめられることを期待して全裸になったが、ジョー・パイの態度が豹変するや思わぬ行動に出る。

 無知と誤読を承知で書くと、ジョー・パイの正体は悪魔だろう(メフィストフェレス?)。山羊髭を生やしていたり(悪魔が人間に化けるときのトレードマーク)、父が帰宅を待っている、というローズの口実に対して「彼女は起きて待ってやしまい(p115)」と母親の死を知っているかのような言動、全裸になったローズを前にして「人はこういう風にはしないものだよ(p120)」と時代めかした言い方で羞恥を与えて部屋から放り出す。
『地獄の辞典(コラン・ド・プランシー著/講談社刊)』でメフィストフェレスを引くと「冷淡、意地悪、辛辣。人間の苦痛への冷酷な喜び」とあるし…。

【サイト登録日】2011年6月11日 【ジャンル】悪魔 甘言 羞恥 処女 作家 女性

▽メモ1原書では8番目に掲載。

▽メモ2ローズが述べた偽名オリヴィアは祖母の名前(p91)。

▽メモ3 オレスティア(p96)

 アイスキュロス【Aischylos】古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人。その作は宗教的で壮大・深刻。「縛られたプロメテウス」「ペルシア人」、三部作「オレステイア」など7編残存。エスキロス。(前525〜前456)『広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店』)