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『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

見えざる棘

A Touch of Petulance,1980

作:レイ・ブラッドベリ(広瀬順弘訳)

Written by Ray Bradbury

短編24ページ/『闇の展覧会 罠』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

過去を改めるべく未来から来た男の目的とは?
SFで味付けされた大人のための暗い寓話

 1979年のことである。29歳の公認会計士ジョナサン・ヒューズは、結婚1年目の美しい妻アリスと共に人生を謳歌していた。
 マンハッタン34丁目で電車に乗ったジョナサンの隣に座る年配の男は、変わったデザインのニューヨークタイムズを広げていた。ふと覗き込んだジョナサンは、第一面の隅に驚くべき記事を発見する。
 主婦、殺害。警察が夫を手配。夫の名はジョナサン・ヒューズ…。
 1999年という日付の入った新聞を読む年配の男は、未来からやって来た自分自身だと話す。
 どれほど質の悪いイタズラだ。そもそも自分が妻のアリスを殺すはずがない。
 男は言う。20年という月日には、実にさまざまなことがあった。結婚1年目のあんたには、一滴のインクで水差しが濁ってしまうことなど考えられないだろう。
 半信半疑ながら男を自宅に招き入れたジョナサンだったが…。

 編者のマッコーリーが「(新作の寄稿を)まことに光栄である(p212)」と恐縮しきりの解説文を寄せており、なるほど幻想怪奇における重鎮ブラッドベリの存在感がいやでも伝わってくる。
 個人的にはSFやダークファンタジーの諸作が心に残るブラッドベリであって、本作はとびきり極上の作品と言い難い。
 本作はタイムパラドックスというSF風味のアプローチだけど「未来から訪ねてきた自分自身によって猜疑の芽を植え付けられてしまう」という意地の悪い展開を見せる。その意味ではホラーなんだろうなぁ。

【サイト登録日】2011年6月16日 【ジャンル】時間 旅行 殺人

▽メモ1原書では18番目に掲載。