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『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]2 罠』文庫表紙

Trap,1980

作:ゲイアン・ウイルソン(広瀬順弘訳)

Written by Gahan Wilson

短編14ページ/『闇の展覧会 罠』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

驚嘆すべきネズミの逆襲が幕を開ける
ブラックジョーク風味のホラー小話

 父親から近隣一帯の地所と強欲さを相続した老婦人ミセス・ディンウィッティのお小言を喰らうレスター・ベイリー。ネズミ駆除が功を奏さず、百発百中を誇っていたねずみ取りの罠がまったく効果ないのだ。
 キッチンで苦いコーヒーを振る舞いながら、ミセス・ディンウィッティはとんでもないことを言い出す。
 ここのネズミどもは軍隊のように団結している。その役立たずの罠のおかげで、ネズミどもを刺激してしまった。
 下手に逆らえば何をされるかわかったものではない、と嵐が過ぎ去るのを待つレスターに対して、老婦人は言い放つ。いいでしょう、その証拠が2階に置いてあるから見せてあげましょう。
 待てど暮らせど戻ってこないミセス・ディンウィッティ。恐る恐る2階へ上がったレスターはとんでもない光景を目の当たりにする。

 怖い人が汚い家に棲んでいる(『悪魔のいけにえ』)、どことなくダルい雰囲気(フィッツジェラルドの南部小説)。これが個人的なアメリカの田舎町像。実像とは異なるだろうけど、行ったことがないからわからない。
 そんなステレオタイプな田舎町の雰囲気が濃厚な本作。出来自体は特筆すべき点のない、いたって平凡なホラー小話なんだけど、老婦人の足が扉の奥へズリズリっと消えていくさまは往年の怪奇小説を思い起こさせ、ゾゾっとした。
 一方でネズミが隊列を組んで進撃してくるさまはドリームワークスあたりのCG映画を思わせ、思わず笑ってしまった。

【サイト登録日】2011年6月17日 【ジャンル】罠 ネズミ 動物

▽メモ1原書では23番目に掲載。

▽メモ2『闇の展覧会』でもっとも短い作品(『莫迦げた思いつき』は除く)。