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『闇の展覧会[新装版]3 霧』文庫表紙

『闇の展覧会[新装版]3 霧』文庫表紙

石の育つ場所

Where the Stones Grow,1980

作:リサ・タトル(広瀬順弘訳)

Written by Lisa Tuttle

短編26ページ/『闇の展覧会 霧』所収/ハヤカワ文庫NV

Dark Forces,1980

石が生き物のように動けるとしたら…
秘密を目撃した男に襲いかかる恐怖

 出世の道を閉ざしてもイギリスでの研修を拒んだポール・スタントン。
 イギリス行きを拒んだのは、子供の頃の忌まわしい記憶のせいだった。
 家族旅行でイギリスを訪れたポールは、デボンの小さな村で「三姉妹」と呼ばれている約8フィート(約2.5m)の3本の石柱を見物する。この場所で昼寝をしていた3人の娘が石に呑み込まれてしまった。娘たちは身体の石を取り除こうと、年に1回、崖下の海岸へ降りていくのだ、という。
 両親も、ポール自身さえ、信じなかったが、翌朝石に潰されたように死んでいた父を発見し、あまつさえ石が動くのを目撃してしまう。
 石の秘密を知った者は必ず殺される。以来、成人しても石を極度に恐れるポールなのだった。
 左遷先のサン・アントニオで自宅を購入したポールだったが、庭の片隅に3本の小さな石柱を発見する。最初に見回ったときにはなかったはずなのに…。

 古い言い伝えが脈々と生きている設定、怪異がじわじわと主人公にのしかかってくるところなど、懐かしい時代のホラー小説の味わいがある。こういう作風はけっこう好きだ。
 ただ、ひとつしっくりこないのが、秘密を知った者だけを殺す理由。石(というか無機物が)反旗を翻せば人類などあっという間に滅ぼせるはず。なぜ秘密を知った人間だけに執着するのか。
 理由不明なところがホラー小説のアイデンティティなんだろうけど、石の反乱に含みを持たせる描写を付け加えれば、より不気味さを強調できたのでは?

【サイト登録日】2011年6月28日 【ジャンル】石 巨石 伝説

▽メモ1原書では15番目に掲載。

▽メモ2実在する三姉妹(でも山)。

 スコットランドのグレン・コー(Glen Coe)には、Three Sistersと呼ばれる山があるそうです。Google Map